読書日記「これはただの夏」

燃え殻さんの最新作「これはただの夏」の話。前作「ボクたちは大人になれなかった」も読みたいと思いつつ、Netflixのドラマ?映画?で見るのもありかもと思っている。


さて「これはただの夏」をたった今読み終わった。カラッと暑い夏というより、じっとりとした湿気を纏う夏。そんな空気が流れる時間だった。それぞれの小さな出来事が主人公のボクの未来を今よりも明るくしてくれるかもという希望を抱くのだけど、結局これはただの夏。「物語なんだからハッピーエンドでしょ!」という固定概念をしっかりと崩してくれる。それでも何故かやりきれないという気持ちにはならなくて、じっとりとした梅雨が明け、猛暑を越えて過ごしやすくなった夏の終わりを感じさせる。夏と秋とはざまの空気が澄んだあの時間を思い出した。


「どうかあなたがあなたを愛しすぎませんように」この言葉は本を読む前後で捉え方が変わったように思う。これは「あなた」への愛が詰まった一言。「私はあなたを愛している」と伝えられなかったボクが唯一祈ることができる言葉だった。


夏のうちに読み終わってよかった。夏の新しい一面を見れたかも。


▼映像と音楽、朗読で見せる映像があるというのも驚き。

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